院長紹介
院長:岡本 雄吾(おかもと ゆうご)
PROFILE

大学時代はヨット部に在籍していました。ヨットと言っても皆さんが想像されるような大型のクルーザーのような船ではなく、5mに満たない小さな、二人乗りの競技用ヨットです。
陸から見ているのとは違い乗り心地は良くありません。海から見る風景も感動したのは最初だけです。ヨット部部員にも関わらず船酔いすることもありました。でも辞めることがなかったのはヨットレースが大変面白かったからです。
こうすればいい、というような単純なセオリーはありません。気合いや根性なんて精神論も全く意味をなしません。何十艇もの船の中、一位を目指し競争する楽しさは他にはないものでした。
ヨットレースは決して、風の向きだけを見ているのではありません。
風の動きや潮流、波、天候、地理的な状況を分析・予測し、事前に戦略(ストラテジー)をたてます。レース本番ではストラテジーを踏まえつつ、自艇の状況と他艇の動きを把握し、風の動きや潮流などの事象が変化する中でベストの帆走を決定(タクティクス)し、実行してゆきます。船を整備したり、操る能力も問われます。
つまり、ヨットレースはストラテジー(戦略)をもって挑み、タクティクス(戦術)で競うのです。
これは、歯科での治療の進め方に、非常によく似ています。
術前に【お口や歯の状態】を診て治療計画をたてます。治療を開始してからは、患者さんの【処置に対する反応】と、歯に対する価値観や社会条件など【患者さんのパーソナリティ】を考慮しながら治療をアレンジし、実施してゆきます。当然、技術(スキル)も影響します。
ですから治療内容が同じだったとしても、患者さんが違えば同じ仕事になることはありません。患者さんによって状態が違い、条件が違い、目的が違うからです。治療を成功に導く単純なセオリーはありません。
ですから歯科医療は大変面白いです。
そのような訳で、いつもあれやこれやを考えて診療にあたっています。単に歯だけを診るのではなく、その人にとって本当に価値のある治療を提供できるよう常に心がけております。
略歴 |
|
||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
所属学会 |
|
||||||||||
趣味 |
|
CONCEPT
学生時代、精密に削ってきれいに修復する治療でも永久ではないどころか、虫歯の再発が少なくない現実を知り大いに驚きました。
そもそも歯科医師を志したのは、口は不器用でも手先の器用さには少し自信があったからです。治療の腕(スキル)をあげることが歯科医師として成功する道だと思っていました。それが、手先の器用さは歯科医療の本質ではないというのですから意気消沈です。
それなら究極の総入れ歯治療を習得しよう!そうすれば、繰り返す歯科疾患からの苦しみから患者さんを解放できるのではないかと考えました。総入れ歯は、もう歯がない状態ですから悪くなりようがない、と。
大学卒業後は総入れ歯を専門にした教室に進みました。そこでは総入れ歯について、様々な分析や研究をし、また実際に数多くの患者さんに接しました。そしてわかったことがあります。
それは、究極の総入れ歯を作ったとしても、元の自分の歯以上に咬める歯はないということです。
そして、よくフィットし、よく噛める総入れ歯を作って差し上げても、患者さんは皆さん異口同音に申されました。
「もっと自分の歯を大切にすればよかった!」
「歯を失って初めて自分の歯の大切さがわかった」
考えれば当たり前のことですが、入れ歯はあくまで歯の代理であって、歯そのものにはなりません。歯を失ってしまっては仕方がないのですが、やはり歯科医療の本筋は自分の歯を大切にし、失わないように守っていくことです。
こういった経験をふまえ、私の治療の指針が変わりました。
できるだけ総入れ歯にならないように、できるだけ歯を残せるような治療が、私の治療方針です。そして、歯の大切さを伝えることが使命です。
虫歯にしろ、歯周病にしろ、顎関節症にしろ、歯科疾患のほとんどは生活習慣の結果です。元から悪かったとか、何か事故があってなったものではなく、自分の生活態度がそうさせています。ブラッシング習慣はもちろん、食習慣や噛み方の癖、歯ぎしりなどが歯を悪くしています。歯科疾患は他でもない自分自身が作っているのです。
「悪くなった」原因があるならば、それが解決されない限りどんな治療をしても「また悪くなった」を繰り返すのは道理です。歯科治療の本質は、痛みを取る、歯をきれいにするということだけではなく、「悪くなった」原因を追求し、これを改善させることだと考えます。
そして、歯の治療をきかっけに、患者さんがご自身の生活習慣に気づき、健康に関心を寄せるようになったとき、この仕事で最上の喜びを感じます。