歯医者のつぶやき
2015/04/23
奥歯を大事にしていますか
洗足、いちょう通り歯科医院院長の岡本です。
これから時々、皆様にお口の健康に関する情報を、このコーナーでお届けしようと思います。
患者さんと歯のお話をしていると前歯に比べて奥歯を軽く考えておられる方が少なくないように見受けられます。前歯は見た目に関わるところですので、前歯を大事に思う気持ちはとてもよく分かります。でも奥歯、特に大臼歯と呼ばれる後方の歯にも関心をよせて欲しいと考えています。
厚生労働省の調査によると、歯の平均寿命は約50~65年です。詳細を見ると以下の通り、一番後方の歯の寿命が一番短くなっています。そして奥から順番に歯の寿命が短くなっていることが分かります。つまり奥歯の方が悪くなりやすいと言えそうです。
永久歯の平均寿命

*満5歳で歯が生えそろうとして計算。ただし犬歯と第二大臼歯は満10歳として計算。
平成11年歯科疾患実態調査より
これはどういうことを意味するのでしょうか?考察はいろいろあると思いますが、少なくとも言えることが2つあります。
ひとつは奥歯は前歯に比べてプラーク(歯垢)が溜まりやすく、そして磨きにくい、ということです。虫歯の治療をしても、この「プラークが溜まりやすく、そして磨きにくい」という状況は変わりません。ですから治療の以前と何も変わらない生活をすれば虫歯を再発させてしまいます。これを何度も繰り返すと当然歯をダメにしていきます。
もうひとつは、奥歯には相当の負担がかかるということです。虫歯を削った後に詰めたり被せたりする材料や接着材は「噛む」力を受けると歪みやたわみを生じます。そして強い力はもちろんのこと、弱い力でも繰り返し外力が加わると材料は疲労します。これらによって面界に生じた亀裂や隙間は細菌の侵入を許し虫歯が再発することになります。
こうして奥歯は前歯より先に悪くなっていくのです。奥歯が悪くなると、そのことだけでは済まないこともあります。それは悪くなった奥歯がなくなると(抜歯すると)次の歯に負担が掛かるということです。特に奥歯がすべてなくなると、もともと負担の強くない前歯がやがてダメになっていくのはよく知られていることです。ですから奥歯を守るということは、前歯を守ることに繋がっていると言えなくもないのです。
鏡でお口の中を覗いてみても、その姿も働きぶりもあまりよく見えない奥歯ですが、環境の悪いなか頑張っていることを思い、どうか優しく労わってください。























