歯医者のつぶやき
2015/10/07
歯磨きにTPOを!
患者さんに歯磨きのことを伺うと多くの方が一回2-3分位とお答えになります。そして皆さん揃って、申し訳なさそうに言うのです。ご自身でもよくわかっているのでしょうね。2-3分では28本の永久歯を全てきちんと磨くことができないということを。
ちなみにそんな歯磨きを一日3回行ってもやはり不十分です。磨かないより短い時間でも磨くのは良いと言えなくもないですが、もし虫歯や歯周病の予防を本気に考えているなら歯磨きをちょっと見直しませんか?
私たちの提案は「歯磨きにTPOの考え方を取り入れよう!」です。TPOとは皆さんもご存知のTime(時間)、Place(場所)、Occasion(場合。Opportunityと使われることもある。)のことです。 簡単に言うと、虫歯予防のための歯磨きと、人に合うための身だしなみのためのエチケットブラシを使い分けましょう!と、いうことです。
例えば、「歯磨きは一日3回」とよく言われますが、あまり時間の取れない朝や昼はエチケットブラシ。歯を磨くというより、歯の間に挟まった食片を取ったり、歯磨きペーストによる清涼感を得るための歯磨きです。人に会うためのマナーということです。これは2-3分で十分。
そして、夜は虫歯予防のための歯磨き。10分以上の時間をかけて歯の一本一本を丁寧に磨いてゆきます。ペーストを使うと口内で発泡し、口をゆすぎたくなるため歯磨きは短時間で終わってしまいます。また、虫歯の原因となる歯垢(プラーク)を取るのにペーストは必ずしも必要ありません。ぜひ歯ブラシと歯間ブラシ(またはデンタルフロス)だけで歯を磨いて頂きたいです。この歯磨きはお風呂に浸かりながらとか、テレビを見ながらなどボーッと時間をとれる時を利用すると良いでしょう。洗面所に10分もいれませんから。
そもそも「一日3回」というのに根拠はありません。私たちは一日1回でも時間をとってきちんと磨くなら、それでもいいと思っています。 「食べたら磨く」というのも意見が分かれるところです。歯垢(プラーク)はそんなにすぐには生産されません。それに、食事によってたくさんの唾液分泌がなされますが、唾液による自浄作用や抗菌作用のために食後は細菌の活動は抑制されています。また、食後は口内が一過性に酸性環境下になるために食後すぐの歯磨きを勧めない考え方もあります。
「一日3回」も「食べたら磨く」も子どもに歯磨きの習慣を付けさせるためのキャッチフレーズなのではないでしょうか?
諸説いろいろありますが、押さえるべきことはシンプルです。虫歯予防には歯垢(プラーク)を取り除くことが最上で、それ以外は補助的なことです。そして歯垢(プラーク)をきちんと取り除くには、ある程度時間がかかるということを忘れないでください。























