歯医者のつぶやき
2016/06/21
ガムをカム
とうとう東京都知事が辞任することになりました。「清濁併せ持つ」と言って、集団を束ね指揮するような人はただ清廉潔白なだけではなく、黒い部分も持ち合わせているものだと学んだ記憶があります。ところが調べてみると、驚いたことにそんな言葉はないそうです。
正確には「清濁併せ呑む」と言って、白も黒も取り込む度量の大きさを表す言葉のようです。白と黒のどちらかだけを取り上げて過剰に反応するのは、いささかものの見方が狭いと言えなくもありません。
ところで、噛めば噛むほど健康になるという内容のTV番組や雑誌記事をよく目にします。実際、患者さんと話しをしてみるとガムを良かれと思って口にしている人が多いようです。
確かにガムには多くのメリットがあるようです。
①唾液の分泌を促す、②集中力の向上、③眠気の解消、④脳の活性化、⑤顎の成長発育などが主に言われています。
特に①の効果は大きく、結果として唾液中の酵素が消化を促進、むし歯の予防、ダイエットや口臭の予防などが期待できそうです。
これだけをみるとすぐにでもガムを口にしたくなるというものです。
でも物事には必ず裏の面もあるものです。ではガムのデメリットは何でしょう?
いくつかのデメリットの一つは砂糖の存在です。口の中に砂糖が存在し続けることは虫歯への影響が懸念されます。特に長時間噛んでも味が長持ちするガムは心配です。
他にもデメリットはありますが、私が一番知ってほしいのは力の問題です。噛むたびに歯、特に補綴物(むし歯の治療で詰めた物や被せた物)には負荷が加わり、歪みが生まれます。つまり、噛めば噛むほど歯にはトラブルが生じやすくなるのです。
ガムはかなりの回数噛み続けることになるのでトータルで考えるとその影響は小さくありません。
では、みなさんはメリットを得るためにガムを噛みますか?それともデメリットを懸念してガムを避けますか?
私たちに必要な態度は、どちらが良いのか悪いのかを求めることではありません。清濁併せ呑んだ上で自分の態度を決めることが肝心だと思います。
ただ歯医者としては、ガムを口にするときはせめて優しく噛むように心掛けていただきたいです。























