歯医者のつぶやき
2016/08/07
食感の国、ニッポン
小腹を満たすためにおカキの小袋を開け、つまみながらネットサーフィン。絶妙な塩味が実に美味しく次の袋に手が伸びます。ザクザクした食感がたまらなくなり、さらにもう一袋。そして気づけば5袋目。ちょっとだけのつもりが...。
私はポリポリやバリバリ、ザクザクといった食感のある食べ物が好きです。食べ物の表面に歯を当て、押し込もうとすると少し抵抗するのですが、その後負けましたとばかり大げさに砕ける潔さがいいのです。歯と歯の間で発する賑やかな音たちが、骨伝導によって脳に響く感じが心地良いのです。おかきに限らずお煎餅、クラッカー、生野菜、漬物などなど。
このポリポリやバリバリといった食感を表す言葉を調べた研究があります。皆さんは、どれくらいの数の言葉があるかご存知ですか?
方言を合わせると日本語にはなんと445語もの言葉があるそうです。ちなみにドイツ語や英語は約100語、中国語は約140語だそうです。グルメの国とも言われるフランス語でも226語で、日本語の多さは突出しています。
言葉はその国の文化を示すものであるとするなら、食感を表す言葉が多いという事実は日本の食の特徴を表していると言えるのではないでしょうか。日本食は食感を非常に大切にした料理であるということです。つまり、食感の国、ニッポンという訳です。
うどん、てんぷら、刺身、漬物、お煎餅...。どれも食感が美味しさの決め手です。つるつる、ネトネト、もちもち、コリコリ、パリパリ、サクサク、ネチッ、クニュッ、...。想像するとお腹が減ってきますね。
一般に食べ物の味を感じるのは舌の表面にある味蕾という器官だと言われています。一方、食感は歯と舌、頬、口蓋などの粘膜、つまりお口の中全体で感じます。
もし歯を失うと食感を楽しむことは当然難しくなります。入れ歯を使うことになると、広い範囲の粘膜を覆うことになります。ますます食感を楽しめなくなるというわけです。実際、入れ歯にすると食べ物が美味しくなくなったという方はとても多いです。
食べるのが好きなあなた!
歯にもいたわりの心をお忘れなく。























