歯医者のつぶやき
2017/02/20
食べられたらいい
私ごとですが、最近お酒に弱くなりました。以前はもうちょっと飲めていたのにと思うことが多くなりました。また翌日に余韻を残すことも増えました。
気持ちは以前と変わらなくても体は変化しているのでしょう。一言で言うと「年」ということでしょうか。お酒との付き合い方を見直さないといけませんね。
さて先日、入れ歯が合わないと来院された患者さんがいました。
聞くと、かかりつけ医が引退されてからどこに行っていいか分からず、長らく歯科にかかっていなかったそうです。いよいよ入れ歯の調子が悪くなり、食事に難儀するので近医で新しい入れ歯を作ったがこれが合わない。そこで歯医者を変えてまた新しく入れ歯をつくりたい、ということでした。
診ると確かに入れ歯はガタガタ動いて安定せず、使い辛そうです。ただ、よく診ると入れ歯があっていない訳ではありません。
入れ歯に問題があるというより、患者さんの顎の形態が入れ歯を支えるのに相応しい状況ではなくなっているようです。顎の骨が萎縮して、小さく細くなっているのです。これは長らく不適切な状態で入れ歯を使用していたことが原因です。
こうなってしまうと、よく噛めて快適な入れ歯を作るのは至難の技です。
一方、患者さんはそんな状況を知る由もなく、前は噛めたのにと歯医者の技術を疑うばかりです。ご自身の体の変化に気づかず、以前のイメージのまま過ごされストレスを感じているのです。食べられたらいいと患者さんは言いますが、そうは簡単にいきません。
歯の状態も体と同じように経年変化があります。髪の毛や肌は目にしやすく変化に気付きやすいのですが、口のなかの状況を気に留める方は多くありません。特に歯を支える骨や粘膜は、自分では気付かないうちに取り返しのつかない状態になってしまうことが少なくありません。
お酒に弱くなったというだけならいいのですが、「症状がないから」「今、特に不都合がないから」といって安易に考えていると、後で大変なのは他でもない本人です。悪くなってから病院にかかるのではなく、予防の考え方を実践出来るように今後も伝えて行きたいと思います。























