歯医者のつぶやき
2022/03/11
歯がしみる...。どうも気のせいではない...!
うがいをすると歯がしみる。
冷たいお茶やビールで歯がしみる。
アイスクリームは食べにくい、歯がしみるから。
歯みがきの時、ブラシが当たると歯がしみる。
等々。
日常よく口にするもので、歯がしみる。しかも、しょっちゅう・・・。
となると、なにかしら歯に問題あるなと心配になりますよね。
そこで、鏡で自分の口の中をチェックしてみる。
でもなんだか、よくわからない。
奥歯のしわのところ、黒っぽい様な気がする。もしや虫歯?
それとも、TVコマーシャルで見かける、知覚過敏かな?
歯がしみる原因は、次のことが考えられます。
②知覚過敏
③昔治療した詰め物のゆるみ
ひとつずつご説明しますね。
①虫歯
虫歯が象牙質という層に達してくるとしみる症状が出やすくなります。
歯の表面のエナメル質に虫歯がとどまっているうちは、しみることはあまりないです。
なので、歯がしみる原因が虫歯なら、やや進行している状態
早めに治療したいところです。
また、歯の隙間の虫歯は、歯に開いた穴に食品などの刺激が直接届きにくいためか、症状を感じにくい場合があります。進行しているのに自覚し辛いのです。
「症状は無いけど虫歯になっている」ということはよくありますので、定期的な歯の検診は重要です。
②-1歯肉退縮による知覚過敏
歯の根元の歯肉が下がって歯根が露出することがあります。
この露出した歯の根っこが、冷たいものや甘いものがしみやすいエリアです。
歯肉が下がる理由は2つ考えられます。
1つ目は、とても歯周病が進行したため、歯を支える骨(歯槽骨といいます)が減少し、その上を覆う歯肉も下がるパターン。
2つ目は、歯磨きの時のブラシを当てる力が強すぎて歯肉が下がるパターン。
意外とブラシの力が強い方は多いのです。
適切なブラッシング圧は150g前後。
一番わかりやすい確認方法はキッチンのはかりに歯ブラシを当ててみることです。
「はかり」なんて無いよ、という方もいますよね
その場合は、歯ブラシを当てた時に毛先がほんの少ししなるくらいの力加減にします。
歯ブラシを持つ手はペンを持つようにします。握ったりはしません。
毛先が盛大にしなって開かないように注意します。
力強く磨きすぎると、やがて歯肉は退縮し不必要に歯の根っこを露出させてしまい、歯がしみやすくなります。
②-2歯の摩耗による知覚過敏
歯の摩耗で象牙質がむき出しになってしみるパターンです。
それらの原因は、食事の食べ方、歯の接触癖、かみしめ癖、歯ぎしりなど、歯にかけすぎる力です。
もちろん毎日使うものなので、使い減りしていくのは当然ですが、過剰な力で「すり減りすぎ」ている状態の方もいます。
食品は力強くかむのでなく、優しい力加減で何度も噛み、細かく砕いていくと良いですね。
力強くかむことで顎や歯歯鍛えられません。壊れます。
回数多く噛むのは唾液が良く出て消化にも良いですよ。
また、集中して仕事や勉強、家事やゲームをしている際に、上下の歯が接触していませんか?
安静時、歯は離れているものです。たとえ弱い力でも、長時間に及ぶと、歯にかかる力の総和は大きくなり、いらぬ痛みを引き起こします。
②-3酸蝕症によるもの
食品や薬品、胃酸など、酸性のものによって病的に歯が溶かされてしまうことがあります。
特に清涼飲料水、炭酸飲料、柑橘果物を毎日のように口にする方、要注意です。
また逆流性食道炎、拒食症で嘔吐することが多い方にも起こりやすいです。
③昔詰めたもののゆるみ
昔治療した銀歯などが、はまってはいるが中で緩んでいる、ということがあります。
噛んだ時の違和感や熱い冷たいでしみるようなことが続くなら、表面上虫歯の穴が無くても、古い詰め物の下で虫歯になっているかもしれません。
緩んだ詰め物と歯の微細な隙間から細菌侵入を許しており、歯がしみるようになることは珍しくありません。
こうして「歯がしみる」原因を探ると、細菌によるものか力によるものの2つになります。
どれか思い当たることはありますか?
何が原因かを、ご自身で診断するのは難しいと思います。
早めにご相談にいらしてくださいね。